俺の好きな人【完】


だって、



「うわ、優ちゃん髪切ってるじゃん!」



そう、昨日まで黒髪で腰まであるロングヘアーだった神橋さんの髪型が、顎ラインまでのボブヘアーになっていた。


…これはこれでかわいすぎる



「可愛いでしょー!」


いつも神橋さんといるクラスメイトが、そう言って玄太に茶化す


俺は会話には入らず、ただ玄太のとなりにいる置物と化していた


「超似合ってる!可愛いじゃん!」


思ったことを素直にペラペラいえる玄太が羨ましい



「…へへ、ありがとうっ」


気のせいなのか一瞬だけ神橋さんと目があって、逸らされた視線


すぐ玄太の方へ向けて、切り立ての髪を揺らして微笑む



そういえば女の子が髪を切るって、相当なことだと姉ちゃんから聞いた。



例えば失恋した時とか、そう言うときに切ることが多いらしい。



失恋でもしたのかな。



あー、顔がにやけて隠せない。


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