クールな君の甘さを知れば

いつもは普通になるちゃんと座ってたのに、今こうしてると全然違う。



「あ、ご、ごめん。肩ぶつかる…」



肩がぶつかるだけで、その度にドッキンって心臓が跳ねるの。



不整脈…?とか考えちゃうくらい、脈が安定しない。



「別に、いつものことだろ。ってか、くっついてくれてた方が俺的には嬉しいけど?」



なるちゃんのニヤッと上がる口角。



いつもよりご機嫌そうな声。



なるちゃんらしくないセリフ。



そのどれもが私を動揺させてしまうらしい。



「…っだから、そういうのやめてって言ってるじゃ───」



「無理」



「なっ…」



なんでそんなイジワル言うの?って、なるちゃんを睨みつけてやろうかと思ったのに。



「もう落としにかかってんの。海琴がなんて言おうと、絶対やめてやんないから。覚悟しとけよ」



そんなセリフと共に、おでこにチュッとキスを落として私の部屋を去っていった。



何も減っていないジュースとお菓子。



取り残された私の、羞恥心たるや。



「〜〜っなるちゃんのバカ!!!」



この叫び声がなるちゃんに聞こえていたのか。
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