クールな君の甘さを知れば
それが確認できてほっと一安心。
「そ、っか…。ふふっ…ありがとう、なるちゃんっ!」
「っ…別に、大袈裟だから」
…?なんか、なるちゃんが素っ気ない…?
いつもに増して口数が少ない気がして、ふと首を傾げる。
それに、顔も赤いような気がするんだよなぁ…と、思っていたところで。
「っ…!?」
自分の片腕が、隣を歩くなるちゃんの腕に巻きついているのを見てぎょっとする。
仮にもここは外で、周りにも普通に下校中の生徒がいて。
公衆の面前であるというのに、自らなるちゃんの腕をとって歩いていたのだ。
自分で自分の行動に驚いて、光の速さでなるちゃんと距離をとった。
えっと、えっと…と、とりあえず謝るべき?
「ごっ、ごめんね。えと、別に他意はなくてね…?その、嬉しかったから、抱きついちゃったみたい…」
「いや、謝んなくていい。…驚いただけだから」
あ、なるちゃんの顔も態度も戻った。
…ちょっと早くない?私なんて、時間差でドキドキしちゃってるのに…。
「…ふっ、なに自分で抱きついといて照れてんの?」