クールな君の甘さを知れば

「っ…」



「俺は全然、くっついてくれててもいーけどな」



「〜っ!なるちゃんのばかっ、意地悪…っ」



なるちゃんが意地悪ばっかり言うせいで、みるみるうちに顔が火照ってく。



そんな私を見て可笑しそうに笑うなるちゃんは、余裕たっぷり。



ちょっと恥ずかしーこと言われただけで真っ赤になっちゃう私とは大違い。



これが年上の余裕ってやつ?



二つしか違わないけど、そんなに変わるもんかな。



そんなこと考えてたら、なるちゃんが「わかってると思うけど」って真面目な顔。



「最終的に決めるのは、俺じゃなくておばさんたち。そこんとこ、しっかり聞いとけよ」



「あ、忘れてた」



「…だと思った。今連絡しとけば?」



なるちゃんが行くか行かないかっていう問題が発生したから、すっかり抜けてたよ。



「うん、そうする」



何時に帰ってくるか分からないし、とりあえずお母さんにはメールだけしとこう。



「よし、これでおっけー。許してくれるかなぁ…」



「…許してもらえなかったらどうすんの?」



「意地でも行く」



「ダメだろ」



えー、ダメかな。
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