クールな君の甘さを知れば

気づけば、なるちゃんはもう家の中。



言い逃げは卑怯だよ、なるちゃん。



「もー…なるちゃんのバカ」



玄関に入ってその場にしゃがむ。



顔に手を当てたら、またもや熱い。



「…うん、勉強しよ」



ここでうずくまってたって意味ないからね。



身に入らなそうだけど、テストは待ってくれないし。



赤点とって、温泉旅行がぱあになったらそれこそ嫌だから。



「頑張ろう」



独り言をこぼして、早速部屋に向かった。







「…と、いうことで!無事に旅行当日を迎えられて良かったね海琴ちゃん!」



「なんか色々すっ飛ばしてる気がするけど、大丈夫かな?」



あれから約2週間後。



テストもなんとか乗り越え、お母さんにもお父さんにも許可をもらうことができた私は、これから1泊2日の温泉旅行に向かおうとしている。



今は穂乃果ちゃんとバス乗り場の前で男子2人を待っているところ。



え、やっぱり早すぎ?もっと色々あったでしょって?



それは私もそう思うけど、特に何もなかったといえばなかったんだよね。



「大丈夫大丈夫。お母さんたちに許可はもらったんでしょ?私も海琴ちゃんも赤点もなかったし」
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