逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 雲の切れ間から、薄明光線(はくめいこうせん)が注いでいた。

 天上の触手のような光りを浴びて馬を疾走させる集団がいた。

 先頭はアーロンだ。
 側近五名が脇を固め、その部下四十名が後を追っていた。


「アーロン・ハインツ様がいらっしゃいません!」
 衛兵が飛び込んできた。

「よく探したのか、どこかの部隊と策を練っているのではないか」
 シュテルツが息をのむ。

「それが、こんな置手紙が」
 そこには、
【緊急の事態だ。しばらく個室に籠る・・ことにする。後は頼む】
 
「この緊急時にいったい何を! いい歳をしてそこらの若造のように」

 と、何かを思い出して、
「あ、いや、今は本当に若者なのだが」
 

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