逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 アーロンは山岳地帯まで来た。
 向こうに見えるバッハスの数に目を見張る。

 空を見上げた。
 斥候隊が放った鷹が旋回していた。

「おい、遅いぞ」
 振り返った隊長が瞠目した。
「お前は誰だ?」
 偵察にでた部下とは違う男だった。

「王宮から派遣された者だ、あの伝書鳩の急報を受けてな」
 と斥候兵の認証を見せた。

「だったら存分に働いてもらうぞ、国の一大事だからな」

 隊長はもう一度男を見た。
 小柄な自分より頭一つ上背がある、見下ろされた気になって、
「俺の名前はボスだ、この斥候隊のボスでもあるんだ、わかったか」
 
「ボス・・殿か、覚えておきましょう」 

 その声に底知れぬ威圧感があった。
 下級兵である斥候隊は、司令官のア―ロンの顔を知らなかったのだ。

 そんな周辺でアーロンの側近とその部下四十名が身を隠していた。


          * * * 

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