逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 ソフィーがあわてて、
「そんなに強くしたら息が出来ないわ」

 ふさがれたことでなお機嫌が悪くなった。
 悲鳴のような声がそこらに響く。

 それが外に漏るのがありありと分かった。

「なんだ、あの声は」
 バッハス兵だ。
「赤ん坊だ、だとしたら近くに誰かいるぞ」
 
 ソフィーは隙間から外を見た。
 敵が近づいていた。
 そこらをしらみつぶしに調べている。

「誰かいるはずだ、抜かるなよ」
 一人が洞窟に近づいてくる、踏み込まれるのは必至だ。

 入口でヴェンが剣を構えた。
 だが戦えるのは彼だけだ。
 戦いが起こればその騒ぎで周辺の兵もやってくる。一人で防げるはずがない。

 ソフィーは息を止めた。
 奥に負傷兵がいる、侵入されたら一網打尽だ。
 この場で一体どうすれば?
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