『苦しめてごめん・・』―消せない過ちを悔いる日々―
この夜、ひとしきり熟睡していた神尾は明け方早くに目覚め焦った。
これまで根米とホテルを利用して寝てしまったり泊まったことはなかったから。
恋人でもあるまいし根米と一緒にホテルを出ることだけは避けなければと
瞬時に考えた神尾は根米を起こさないようそっと部屋を出た。
昨夜は友里への罪悪感から半端ないストレスを抱えていた為、酔っていたことも加えて
いつもより身体に火が付き根米を相手に激しく精を吐き出してしまった。
始発が来るまでコンビニで口に入れられそうなものとコーヒーを買い
駅前に点在して設置されているイスに座り時間を潰した。
ぼうーっとした頭で時間を過ごしていくうちに、友里のこと根米菜々緒との付き合い方など、
これからのことが頭を掠めてゆくのだった。
自宅に帰ると気になっていた友里にすぐに連絡を入れてみた。
翌日もまたその次の日も。
けれど友里から返信がくることは一度もなかった。
手術で何かトラブルでもあったのか、それとも俺の仕打ちに怒っているのか?
しかし友里の性格からして怒ったからといっていきなりこちらからの連絡を
ブッチするというのは考えにくい。
一度友里に会いに帰らないとなぁ~と思うものの 仕事のこともあり、
神尾はなかなか帰れずにいた。
そんな中根米はというと・・これを機にこれまでもそうだったけれど、より一層
神尾の気持ちを自分に向ける為、隙あらば自信のある身体を使い色仕掛けで神尾を
誘惑しようとするのだった。
そして徐々に本社で孤軍奮闘する神尾を洗脳し、毎日のように
話し相手になってあげる風を装い神尾から友里の様子を訊き出して、
次第に神尾が友里を捨ててしまうよう画策するのだった。
◇トラブル
「ね、あれから友里さん何か言ってきてない?」
そう訊くと神尾は力なく首を横に振った。
「いや、あれから何度か連絡してるけど返事はきてない・・な」
「ふ~ん、そうなんだ。折角神尾くんが連絡してあげてるのに何様っていう感じだよね」
最近、根米の発言が過激すぎるし的を得てなくて少々うんざりする。
何様って? 友里はそんな女じゃない。
「今は術後で体調崩しているのかもしれない。しばらく気長に連絡を待つよ。
ひとりで心細い思いをしていると思うし」