『苦しめてごめん・・』―消せない過ちを悔いる日々―
 それを受け入れる友里にも。


 だけど親は毒親で頼れず、また皇紀の要望で親しい友人たちとは疎遠、

おまけにそんな環境にした超本人が子供堕ろせって言い出すとか、

マジ皇紀はキチ・・だな。




「それっていつのことだ。中絶したのって」

「3日前。予後がよくなくて」



「今も辛かったら寝てろよ。横になってても話できるだろ? ソファで横になってろよ」

「うん、そうさせてもらうね」



「友里、明日から仕事終わりに様子、見に来るわ。

 慶子や康代にも声掛けとく。『由里の様子気に掛けてやって』って。

 いいよな?」




「うん、ありがと。(みんな)来てくれるかな。私ったら酷いことしたのに」




「酷いのは皇紀だよ。いくら友里が好きだからってやり過ぎだよな。
女友達まで排除するなんてな」




「私、まさかこんなことになるなんて」



「友だちは大事だな。

 恋人が大事なのも分かるけど、恋人っていう奴は恋心が失くなったら
さよならが待ってるからなー。  

 しかしまぁ、その謎の女からのメールはあっても
皇紀が何も言ってこないってのも変だよなー。

 皇紀、悪いのにひっかかったのかもな」



        ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


―――三嶋友里(みしまゆり)小倉俊哉(おぐらとしや)―――


 幼なじみの友里と俊哉は同じ保育園を皮切りに何故か縁があり、
進学した高校までずっと一緒だった。


 お互いの実家はかろうじて小・中と校区が同じになれるといった具合だから、
当人同士は学校繋がりで幼友達だが、家同士、親たちの繋がりはほとんどないに等しい。


 そしてお互い別々の大学へ進学するも利便性を考えて
駅近のアパートに住んでいた。


 保育園の頃、身体の大きかった友里は泣かされている俊哉をよくかばい、
助けてやった。


 小学校卒業の頃までその延長線上で仲が良かった。


 また二人は保育園で一緒だった友達などと夏になるとわいわい賑やかに
近場にあるプールへ行ったりもした。


 今では考えられないことだが、当時は俊哉をはじめ、親しかった同級生は
友里を姉御のように慕い一緒につるんでいたものだ。



 友里も俊哉も読書好きで小学生の頃は同じ図書係をしていたことも、
ずっと仲良しでいられた要因だった。

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