『苦しめてごめん・・』―消せない過ちを悔いる日々―
 そんなだったから中・高と年頃になっても学校や外で会っても
普通に話せる関係性は続いた。


 ちょうど男3人女3人という同じような幼友達は他にもいて
6人は小さな頃からの幼友達という括りで、たまに休日会ったりできるような
関係性を築いていた。


 けれど皇紀の出現で、ちょうど皆が社会人になった頃、
友里が幼友達の輪から抜け出してしまったのだ。


 この頃、俊哉は理系の大学を出て、市役所の土木課に勤務していた。


          ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



 幼友達グループの女子、友里に慶子や康代と3人ともいい感じに
女子力がありそれぞれに魅力的な女性に成長していた。


 
 俊哉はその中でも友里には特別な感情を持っていたのだが、

告白するというところまで感情が育つ前に同じ大学で一緒になった2才年上の

神尾皇紀に友里を持っていかれたという経緯がある。




 神尾皇紀は自分や友里と同じ高校だった。



 ・・なのでその頃自分たちは神尾と接点がほとんどなかったものの、
顔くらいは見知っていて会えばすぐにわかるくらいの認識はある。



 顔を知っているだけにあいまいな方向性ではなく、皇紀の顔を思い浮かべて
きっちり憎悪を向けることができた。



 
 初めて友里の家に立ち寄った日から3日が過ぎても友里の容態は良くならず

日曜があけるのを待って俊哉は手術をした産婦人科医院ではなく、県立中央病院へと

友里に付き添った。




 投薬だけの自宅療養に不安を感じていた為、そこで一週間の入院を勧められ
ほっとした俊哉だった。


 退院の時も俊哉は友里を迎えに行った。


 体調は元に戻ったようで元気に退院してきたものの、見るからに
メンタル面で友里は元気がないように見えた。



 心配でそれからも俊哉は友里の家へと様子伺いに毎日通った。



 3日目のこと、様子見に来て軽い雑談の後いつものように

『じゃあ、また明日様子見に来るから』そう言って帰ろうとした。


 靴を履いて振り向くと友里の目には涙が浮かんでおり
思わず俊哉はどうしていいか分からず固まってしまった。


「ごめん、気にしないで何でもないの。ずっと来てくれてありがと」


 言ってることと表情がばらっばらっだった。


 友里の眦からはどんどん水滴が溢れ落ちてくる。




 たまらず履いた靴を脱ぎ三和土に上がった俊哉は友里を抱きしめた。


「身体の調子が悪いのか?」

「ううん、俊哉くんのお蔭で良くなってる」

「じゃあ、何で泣いてんのかな?」


< 27 / 33 >

この作品をシェア

pagetop