『苦しめてごめん・・』―消せない過ちを悔いる日々―
 泊まる宿を決め腹ごしらえをし温泉にじっくりと浸かり

疲れきった身体と心に潤いと活力を補給したところで

俺は死ぬほど辛い作業に取り掛かった。




 誰かがスマホの通信機能をいじくり俺と友里が互いに連絡取れないよう
画策していたことが判明した。



 友里の家でこのことを知った時、絶望が俺を襲った。


 友里はこの結末をどう思っただろう。


 俺が連絡を取ろうとしていたことは分かってもらえたと思うが。

 今の友里にとってもそして俺にとっても今更だな。




 俺たちふたりの関係が元に戻れない今となっては。


 開きたくないスマホを手にし、登録してあるメールと電話番号を調べる。


 友里から送られてくるメールと電話番号はブロックされており、
友里の名前で登録してあった番号は根米菜々緒になっていた。



『やはりな、こういうカラクリになっていたか』





◇VISION


 ホテルで宿泊してリフレッシュしたとはいえ、傷心を抱えたまま
皇紀は本社のある関西へとある決意を持って戻って行った。


 半年もの長きに亘りさんざん嫌な思いをして、それでもやっときれいな身体で

友里の元に戻れると思い喜び勇んで帰ったというのに、余りにも予想外の顛末が

待ち受けていたのだ。




 精神的にかなりのダメージを受けた皇紀はまだ退去してなかった自宅に戻り一息ついた。


 やはりなんだかんだと言って自宅はくつろげてほっとした。


 こちらの住まいは友里と暮らすはずの新居が決まったら

家電などリサイクルショップなどに持ち込むなり捨てるなりして処分しようと思いつつ

お大家にはまだ退去のことは連絡を入れてなかった。


 良かったんだか何だか・・。



 どちらにしてもいい部屋が見つかれば根米に知られているこの部屋は
なるべく早く退去しないといけない。
 


 物件を管理している不動産会社へ連絡を取り、解約する旨と希望する解約日を伝えたら
今度は退去に関連する電気・水道・ガスの解約手続きなど各種の手続きを行なわなきゃならない。


 まぁ、なんだかんだとすることがあって新居にちゃんと住めるようになるまでは
落ち着けないな。


 理想は1か月後の転居だけどなどと思っていたのだが、本当にその辺りで
引っ越すことができそうだった。


 そのように新居も決まり引っ越しの段取りも付けた頃、行きつけの店へと
久しぶりに顔を出した。


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