自殺教室
最後の1人
奈穂はその場に座り込んで動くことができなかった。
ひらりひらりと、珠美の残骸となった灰が目の前にゆらめいている。

それはゆっくりと床に落ちて、動くのを止めた。
ついに残り1人になってしまった。

どうして自分がここにいるのか、考えていたけれどずっとわからなかった。


「……私はなにもしてない」


声に出してみるとどこか違和感があった。
一浩も豊も珠美も、なにかしらの形で千秋のイジメに加担していた。

本人にその気がなくてもだ。
それならきっと、自分も同類なんだろう。

千秋から見れば奈穂だって他の3人と同じだった。
だから今、ここにいるんだ。
< 100 / 165 >

この作品をシェア

pagetop