『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
◇提案
その週末、やっぱり大林は時間内ギリギリにお迎えに来た。
「こんにちは」
「こんにちは、ひ・・」
「大林さん!」
眞奈と遊んでる比奈ちゃんに声を掛けようとした彼女の言葉掛けを遮り私は声を掛けた。
「何・・」
「その、少しお話したいことがあるんですけど」
「いいですよ、聞きましょ。どんなこと?」
時間外にほぼ毎日、古家さんが眞奈ちゃんと遊んで自分を待ってたという話は
比奈から聞いて知っていた。
それにずっと付き添ってた彼女からのお話があります、発言。
大体想像がつく。
もっと早く迎えに来れないのか、とか、そんなところだろ。
来れるもんなら来てる、っつうの。まったく。
「よかったら、大林さんの仕事が終わるまで家で預からせていただけませんか、
とても差し出がましいことだとは分かっているのですが」
「折角だけど、うちはうち、よそはよそ。誰の手も借りませんよ。お気遣いなく」
そうだろなぁ~とは思ったけれど、想像以上にきっぱりと断られた。
どうしよう。
ここは絶対引きたくない。
苺佳は脳内をフル回転させた。
「私、アルバイトがしたいんです。だから比奈ちゃんのお世話させてください」
「なっ・・。旦那さん高級車乗って迎えに来てたよね」
へっ、見られてたんだ。旦那さんが高級車って・・。
「夫は確かに少しお金持ちですが、私は働いてないのでおこずかいがなくて・・
その・・おこずかいが欲しいんです」
「で?」
「へっ?」
「いくら?」
「いくら? あぁ、え~と、1000円?」
「ばかにしてんの? 大人のこずかいが1000円って」
「あっ、厚かましい人ねぇ、子供預かるのに一ヶ月1000円なわけないでしょ。
一時間1000円で預かるって言ってんの」
あっ、いけない、素が出ちゃった。人様にお願い事してる立場なのに。
「失礼、一時間1000円でどうでしょう?」
高すぎるかな? あんまり安いとバカにしてるのかって怒られそうだし。
ほんと、この人、面倒ぅ~。