『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと

  
 
苺佳の一生懸命な言い草と表情を見ていた(けい)は、
彼女の心中(しんちゅう)が駄々洩れで可笑しかった。


 実のところ、古家苺佳の申し出を聞きながら私は彼女のことをいいヤツだなぁ~って、
胸のうちで感動してた。


 彼女には絶対知られたくない・・が。

 実際のところ、どこぞで人を探さないとまずい、と思ってはいたからな。
 


 同じ対価を払うのなら彼女が一番の適任者ということになる。

 比奈と眞奈ちゃんは仲良しだし、母親の彼女に懐いてるのだし。

 私も頼みやすい。


「大林さん、えらそーな態度でごめんなさい。ぜひっ、私を雇ってください。お願いします」

「わ、わかった。こちらこそお願いします」

「じゃあ、いろいろと予定を聞いたりしないといけないのでLINE交換しませんか?」

「お、おう」
 


 何を焦ってるんだ、私は。

 ほんと可憐な容姿の割に積極的でつい、ドキドキして相手のペースじゃないか。


 しっかりしろ、自分。

 LINE交換を済ませ、古家親子と別れたあとで物思ふ。
 

 よそはよそ、うちはうち。

 誰の手も借りない。

 ・・ということを信条にしているのも事実なのだが。


 しかしだ、ほんとうのところ比奈が不憫で苺佳の申し出は
涙が出るほどうれしいものだった。


 そんなわけで、大林の中で苺佳の評価はだだ上がりした。

          ◇ ◇ ◇ ◇


 早速翌日が土曜日の為、LINEで細々とした内容の遣り取りをした。


 大林の予定を書き出してもらい、手渡しには抵抗があるのでアルバイト料は
ひと月ごとに苺佳の口座へ振り込んでもらうことになった。


 大林から頼まれたわけでもないのに、子供を預かることになって
苺佳の気持ちは揺れ動いていた。


 それは大林の気持ちを傷つけたのではないかというものだ。

 迷った挙句、翌日、いろいろと考えて作った謝罪と気遣いの文を大林に送った。


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