『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
園の行事と言えばまだ入園式と今回のふれあい保育で2回しかないというのに、
振り返ってみれば、一度目と今日では彼女に対する心象は明らかに違うけれど
『困惑した』という点においては同じだ。
お迎えの時など、ふたりの時には感じないもの、明らかに私は周囲の婦女子の熱に
煽られているのかもしれないと気付いた。
私ったら影響され過ぎ。
大林さんは女性で宝塚には入団してなくて、男役のスターでもない。
ただの一主婦なんだから、周りに煽られてるんじゃないわよ苺佳。
そんな風に私は自分にカツを入れた。
比奈ちゃんと眞奈が仲良しなので必然的に私たち親子は二組で一塊みたいな形に
なってプランターに苗付けをしていった。
なるべく眞奈にやらせようと私は口だけでサポートして最初見ているだけだった。
片や、大林さんってば、楽し気に比奈ちゃんと一緒になって手際よく
ドンドコドンドコ苗の植え付けを進めていき、あっという間にほとんど終了させてしまった。
彼女は手を動かしつつ、比奈ちゃんとおしゃべりをし、眞奈にまで話かけたりしてくれた。
その様子を眺めていた時、私の脳裏に病院で脚を診てもらった時のことがふと蘇った。
あの時も彼女の細くて長い指がきれいな動きをしていたなぁ~とか、本当にこの人の手は
ほどよいバランスを保っていて、ずっと見ていたいと思わせる手の造形をしているなぁ~とか。
「ね、そろそろ動かないとやばいんじゃないの?
眞奈ちゃん、だいぶ遅れてるよ」
彼女の声ではっと我に返り、私は焦りまくり。
『えーっ、ずるい。うちの眞奈なんて1苗終わっただけなのにさぁ。
いいわけ? 親がほとんど手伝って楽しむなんてー』