『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと

「なに、それっ」

「そーよね。私たち仲良しかって訊かれたらビミョーですもんね」


「なにっ、それ。仲良しだろ? 娘預けてるんだし」

「そうなの? そう思ってていいの?」


「そーだよ。私たちは仲良しさんだぞ」

「そうかなぁ~」


「難しく考えない。ほれっ、うちは3つとも苗付け終了っと」

「やばいっ」


「面白いな。苺佳はしゃべってると手が止まるんだ」

 い、苺佳ぁ~。

 大林さんから突然苺佳呼ばわりされて私は焦った。

 だって苺佳呼ばわれするほど私たちの距離はそんなに狭まってないもん。


「はいはい、そこーっ!恥ずかしがらない。

 私たちは仲良しさんなのだから下の名前で呼び合おう。

 私のことは(けい)って呼んで」

「えーっ」


「それでさぁ、他のおかあさんたちから・・ほらっ、さっき言ってただろ、
昔からの知り合いなのかとかって訊かれたって。

 ちょうどいいやっ、昔からの知り合いってことにしておこう。

 いずれ苺佳が比奈を預かってくれてることも周囲に分かることだろうし。

 いろいろ詮索されるの、あなたも嫌でしょ?」



「あー、言われてみればそうよね。大林・・じゃなかった瑤ちゃんって頭の回転早いー」

「何、今頃わかったって? お・そ・いー」

「参りました」


 私のところのプランターも苗付けが終わり、周囲もほとんど終わったみたいで、
ひとり・ふたり・と皆、帰り始めた。


 子供たちは『さよなら』を言いに先生のところまで走って行った。

 子供たちがこちらに戻って来るのを目にしながら私は、大林さんに話し掛けた。



「来月は父親のふれあい保育があるみたいだけど、うちは仕事が忙しくて
まだ参加できるかどうかわからないのよ。

大ば・・瑤ちゃんのほうはご主人来られるの?」


「あっ・・」

 私の質問に『あっ』と言ったきり、大林さんは固まってしまった。
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