『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
『ほんとは両親が世話できれば良かったんだけど生憎父親が病気で

入退院を繰り返しているような状況で、研修が終わり勤務先も決まってた私が

比奈を育てることになったんだ』



『そうなんだ。何て言えばいいか分からないけど・・いろいろと』

『いいよ、改まって何か言葉が欲しいわけではないし。いつも通りにしてて』

『うん、わかった』

『私には夫なんていなくて、比奈が姉の子だってことだけ、理解しててくれれば』

『じゃあ来月のふれあい保育は・・』

『わたしが出席するよ』

『そうだよね。我が家も私が出席するかも。
まだどうなるかはっきりとはわからないけど』


『じゃあ、そういうことで、切るね』

『おやすみなさい』

『おやすみ~』


 彼女は独身だったー。

 比奈ちゃんのおかあさんじゃなかったー。

 なんか、興奮してきたー。
 

 その夜、私はなかなか寝付けなかった。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 次の日、食卓で夕飯を摂る英介さんに来月に予定されている
父親ふれあい保育の話題を出した。


「それっていつ?」

「うん、来月の7日、6月7日で土曜日なんだけど、もし行けそうなら

参加ってことで。土曜でも休めないお父さんたちもいるみたいだから、

無理はしなくていいと思う」


「まだ今ははっきり行けるかどうか分からないから、

そのつもりでいてもらえると俺のほうも助かる。

 ところで父親ふれあい保育ってどんなことするの?」


「私たちは昨日、野菜の苗の植え付けをしただけなんだけど。
 
 父親の時は身体を少し動かしてもらいますって聞いたよ」



「駆けっことか、相撲とか?」


「何なんだろう、当日のお楽しみ? 
 そうそう、でね、父親の日はイモの苗を植え付けるらしいわ」


「イモってサツマイモのこと?」

「たぶん」


「私たちは夏野菜のトマトやキュウリの苗をプランターに植え付けしたんだけど

結構楽しくて、それに収穫も今から楽しみだし・・。

 家でも家庭菜園初めてみようかな」
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