『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
 そんな風景をチラ見して、それこそ一周まわって大林さんを見ると、

『えーっ、ちょ・・』彼女は比奈ちゃんを肩車し、あひゃひゃ言って楽しそうにしていた。


 目ん玉飛び出そうなくらい、驚いちゃった。
 

 眞奈が彼女たちの側で『比奈ちゃぁ~ん、気持ちいーい?』なんて叫んでるよ。

 無邪気な仲間たちだなぁ~もう。



「次は眞奈の番だぞ! する?」

「はーい」


 眞奈は先生に答える時みたいに手を挙げた。


「眞奈、落ちないように摑まってろよ」
 


 大林さん、あなたは女なのよ、女性なのよ。

 なのに『摑まってろよ』とか言っちゃって、『どこの(あん)ちゃんなんだよー』
と突っ込みを入れてみた。

 男前過ぎるわ。

 惚れてまうやろ。


 しかーし、私は同性に惚れるわけにはいかないんだけどなぁ~。


 でも宝塚の男役に惚れるのはいいよねー。

 自分でも訳分かんない世界で問答してたのだけれど、大林さん、眞奈を
幸せな気持ちにしてくれてありがとー、好きーっ! 


 思い起こせば眞奈が女の子っていうのもあってか、英介さんに肩車なんて
一度もしてもらってないんじゃないかしら。


 きゃぁ~、眞奈の初めてを大林さんに持っていかれちゃったのねー。


 たいへんー。

 などと、私も脳内の独り相撲で彼女たちの楽しそうな肩車の風景を
目に焼き付けながら楽しんじゃった。


 来ていた何人かのおかあさんたちの目がまたもやハート型になっていたのは
言わずもがなの事。


 しかし、大林さんはそのことに気付いているのかいないのか。

 いつか機会があれば聞いてやろうと心に決めた。


「どう、怖くなかった?」

「楽しかった、瑤ちゃんありがとー」

「また今度しような」

「瑤ちゃんって力あるんだね。
 わたし、眞奈のこと肩車なんてしたら立ってられないと思う」


「苺佳、よわっちぃーな」


 私は反論などせずにコクコクと頷いた。

「そだよー、私ってよわっちぃーのよン。・・瑤ちゃん?」


「ン?」


「おこるかなー?」
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