『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
◇愚行
メインは昨日で、七夕の翌日は朝のうちにプール遊びした後、皆で昼食会をして
解散という予定になっていた。
仲良し3人組のうちのひとり、中沢が大林だけに『一緒に食べませんか』と誘ってきた。
近くで聞いていた苺佳は
『あー、アタックされてるぅ~、瑤ちゃんどうやって断るんだろう』
そう思いながら運んできたプレートの前に子供たちを座らせた。
そして自分も座り、間もなく座るであろう大林を待っていた。
待ち人大林・・は、苺佳の側までやって来たかと思うと
『誘われたからちょっと行ってくるわ』
と言うや否や、自分のプレートをテーブルから持ち上げたかと思うと
比奈にも声を掛けず、苺佳の顔もろくすっぽ見ずに中沢たちの席へと行ってしまった。
『どういうこと?』瑤らしくない言動に苺佳は戸惑いを隠せなかった。
苺佳はハッとして比奈の方を見た。
眞奈と自分がいるからか、それほど動揺している風ではない。
そっかぁ~、一番動揺しているのは自分なのかぁ~。
私ったら。瑤ちゃんらしくない行動、何か理由があるのか、ないのか。
あるとするなら今の自分にはまったく分からないことになる。
だんだん心細い気持ちになって、どんどん悲しくなっていくものだから、
折角園が出してくれたビーフカレーも美味しく味わえずに終わりそうだ。
とにかく全身の細胞から吹き出て来る失望感と寂寥感が半端ない。
大人の事情など何も知らない子供たちは無邪気にいつも通り仲良く
おしゃべりしながら美味しそうにカレーを食べている。
それなのに情けないけど、私は早く家に帰りたくてたまらなかった。
私は仲間外れにされたことも吐きそうなくらい気持ち悪かったし、そんな状況なのに
私を置いてきぼりにした瑤ちゃんにも大きく失望した。