『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
 今日の自分の取った行動に一番驚いているのは自分かもしれない。

 苺佳が荷物を持たせた旦那に送られてきた様子を見て、仲睦まじさを
見せつけられたような気がして嫉妬心に火が付いてしまった。


 言い寄ってくる3人組の母親たちと親し気に振舞って
苺佳に見せつけるという意地悪をしてしまった。



 いろんな人と交流を持つことはいいことなんだからと、嫉妬心を原動力にして
意地悪をするという・・瑤は完全に幼稚園児脳でおバカになりさがってしまった。


 それほどこの時の瑤は嫉妬心を抑えられなかったのである。


 これくらいなら・・ちょっとしたこと・・って思いつつも、席に戻ったら
言い訳くらいはして、そのついでに『一人にしてごめん』って言うつもりだったのに。


 口から出たのは『女が3人も寄ると姦しいわ』だよ。 



 怒ってる風ではなかったけど、心なしか苺佳の反応がそっけなかったな。


 ろくすっぽ話もしないで片付けに席を離れてしまったし、あれから今日は
ほとんど会話してない。比奈のこともまかせっきりで。

 しみじみ、自分の至らなさを実感する。 
 

 そんな風に反省する瑤はまだ子供たちとテーブルにいた。


 そして苺佳が早く戻って来ないかと出入り口になっている教室の開け放たれた引き戸に続く
廊下に目をやるも、彼女の姿は見えなかった。


 お水を飲み干し、子供たちを促して給食室にトレイを運ぶ為席を立とうと
した時、比奈に言われた。


「瑤ちゃん、なんで他所のおばちゃんたちのところでカレー食べたの? 
苺佳ちゃん寂しそうだったよ、ねぇ眞奈ちゃん」


 そう言われた眞奈は小首をかしげてる。

 眞奈の方は苺佳のことをあまのり気に掛けていなかったようだな。


「そっか、わるいことしちゃったな」

「瑤ちゃん、謝っといたほうがよくない?」


 なんか、おしゃまで口達者な比奈を見ていて可笑しくなったけれど・・確かに。

 比奈のアドバイスを謹んで受けようと思う。

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