『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
「比奈、比奈の言う通り苺佳に謝るよ。

後で謝るから少し話す時間くれるかなぁ。

ほらっ、駐車場の近くにある場所で眞奈と遊んでてくれる?」




「うん、いいよ。ね、眞奈ちゃん?」

「うんっ」



 いつも車を止めてる駐車場の中にはブランコと砂場があって木や植物もあり、
遊んだり散策できる場所がある。


          ◇ ◇ ◇ ◇


 苺佳は先生の挨拶が始まる直前に自分の席に戻った。


 皆で片付けをし、先生からの話が終わったところで七夕祭りは終了となった。



 瑤ちゃんの後を付いて部屋から出て行く時も中沢さんたち以下、

今度じっくりといつ瑤ちゃんに会えるか分からないというのもあって?

 おかあさんたちの瑤ちゃんに向けられる視線ビームがとんでもないことになっていた。




中沢さんがお別れの言葉を何か言いたそうにしているのは私の目にも分かるほどなのに、

無慈悲にも? 気付かない振りで華麗にスルー、いつものごとく颯爽と背筋を伸ばし

キリっとした風情で瑤ちゃんが出て行く。




後から続けて出て行く私には皆の視線が何故か背中に痛かった。



◇ ◇ ◇ ◇


 駐車場までの道すがら、ぽっと比奈の水着のことが頭に浮かんだので苺佳に話を振った。

「今月ブール始まるよね」

「うん、そうだね」

「実は比奈、水着がないんだよねー。どこで買うかなぁ~」

「福屋さんで買えるよ」

「福屋さんって?」

「制服買ったお店」

「あっそっか、助かったー。ずっと、どうしようって結構悩んでたんだ」


「瑤ちゃんでも悩むことあるんだね」


 苺佳の物言いに、普段ならここでおちゃらけて怒るところなんだけど
今日は自分に負い目があって、つい言葉に詰まってしまい微妙な雰囲気にしてしまった。


案外ヘタレな自分を呪うしかない。


微妙な雰囲気になったところで駐車場に着いたので『比奈』と声を掛けて
目くばせしたら、比奈が分かってるって、と頷いてサインを送ってくれた。


 頼もしい比奈、サンキュー。


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