『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
「カッコ良くなんかないよ。

逆、カッコ悪すぎー。

反省したからさ。

苺佳、今までのことはごめん。

これからも仲良しさんでいてくれ、お願いします」




「お願いされなくても、これからもずーっと仲良しさんだね、私たち。
私、瑤ちゃんと友達になれてよかった」



「うん、私もだよ」



 何ていうことはない。

 まるで痴話喧嘩のようにまぁるく二人は仲直りした・・のだった。


 瑤ちゃんと友達? 

 自分で発した言葉なのに苺佳はいつまでも違和感がぬぐえなかった。



 改めて『友達よねー』と互いに確認し合った途端、今までなんとも思ってなかった 

というのに、なんともいえないこれまでに感じたことのない感情が芽生え始めたことに

気付いてしまった。 




 だけど、瑤ちゃんと自分は仲良しさん、友達、いくらその他の言葉を探しても

しっくりくる言葉は見つからなかった。



「泣かせた私が言うのも口幅(くちはば)ったいけど、この先絶対
苺佳を泣かせない、大切にするし守るよ」



 すごいっ、私は瑤ちゃんの台詞に感動した。

だけど・・どうしちゃったの? ぜんぜんっ、らしくないのだ。



 訊きたい気もするけど折角いっぱい脳がとろけるようなことを言ってくれてるのに、

変に訊いて彼女の気持ちがもしも一瞬で誤作動をキャッチして変わってしまったらと思うと

恐ろし過ぎて、何も言えなかった。




 皆が焦がれるような人からこんなこと言ってもらえるなんて・・と
苺佳は夢ごこちで幸せだったから。



「ね、瑤ちゃん。比奈ちゃんが小学生になって生活が今より落ち着いたら
彼氏作った方がいいかもね。私も誰か良さげな男性(ひと)探しとくね」


「いや、あぁそうだな。いや、やっぱりいいや」


「そうだよね、探さなくても瑤ちゃんなら、瑤ちゃんさえその気になれば、
すぐにできるもんね」


 良い人を探すと言ったけれど・・あまり乗り気じゃなさそうな瑤ちゃんの表情
が見てとれた。


余計な事言っちゃったかも。 


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