『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
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 困った、早く車に乗らないと瑤ちゃんが来ちゃう。

 まさかここで眞奈からの邪魔が入ろうとは。
 言いくるめることもできそうになくて焦る。


「分かった、すこしだけね。約束だよ」


「わぁ~い、ありがとう」


 私はこんな日の為にと準備しておいたモノ《ブツ》を上着のポケットに入れた。


 今逃げてもいつか瑤ちゃんと向かい合わなければならない。

 先延ばしにしても辛いのは同じ。
 そう思うことで私は腹を決めた。


 視線を娘から外し、瑤ちゃんたちがやって来る方向に向けると、ちょうど彼女が
比奈ちゃんの手を引っぱり小走りにこちらに来るのが見えた。



「眞奈、比奈ちゃんが来たよ。
 いつものようにここの敷地から外には絶対出ないって約束して」


「うん、約束する。今日は比奈ちゃんとブランコ乗るっ!」


「眞奈ちゃぁ~ん」


「比奈ちゃん、今日遊べる?」
 比奈ちゃんが返事をする前に瑤ちゃんが言った。


「比奈、眞奈と遊んどいで」

「うんっ、眞奈ちゃん行こっ」


「苺佳、お待たせ・・って、今日の苺佳おかしい。何かあった?」

「瑤ちゃんって意地悪な人だよね」

「ごめん、否定はできない。・・けど許してくれたんじゃなかったのか?」


「その上嘘つきでドロボー猫だったなんて」

 私が辛辣な言葉を投げつけると瑤ちゃんがギョっとしてる。
 やっぱり脛に疵持ってるんだ。



「苺佳、聞いて。前に一度苺佳に酷い意地悪をして傷付けた。
ほんとに私は自分で自分のことをあんなに嫌いになったことはなかった。

 すごく反省してる。謝罪もした。

 後はどうすれば苺佳の気が済むのか分からない。
 言って、どうすればいいのか」


「そんな済んだことはどうでもいいよ。話をすり替えないで」


「だけど、嘘つきとかドロボー猫とか、さっぱり分からない」


「私から英介さんを奪えてうれしい?」



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