『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと


『ヤッター』嬉し過ぎてつい言葉が口をついて出てしまった。


 比奈も絶対喜ぶだろうな。


 瑤ちゃんが『土、日どっちでもいいよ』と言ってくれたんだけど、
月曜から仕事のある彼女のことを考えて土曜日に会うことにした。



 現地集合、各々お弁当持参で10時に集合ってことで。


翌日保育園へ行く前に眞奈に話したらものすごく喜んじゃって、
公園に着くまだはしゃいでた。


何着て行こうかな、お弁当はどんなのにしようか。


いろいろと考えるのも楽しくて土曜が楽しみだ。


不思議なもので同じようなことが2度起きた。


最近めったに会えないでいた瑤ちゃんに会いたくなかったからちょうどいいや、

と思った日に会ってしまったり、いつもなら週末は忙しくて家族サービスしない

英介さんから珍しく『久しぶりに眞奈を連れて水族館でも行ってみない?』と

誘われたり。




どうして他の予定が入った時に限ってそんなことになるのだろう。
ちょっと、人生の? 人間の? 不思議を物思うっていう感じ? になっちゃった。




21時過ぎに帰って来た夫が、まだ起きていた眞奈に訊いた。


「眞奈、明日水族館行くか? イルカ見に」

 眞奈が一度私のほうを見てすぐに返事した。


迷いの一切ない声音で淀みなく答えた。


「明日は保育園の友達と公園で遊ぶ約束してるから、ごめんなさい」

「えっ? そうなのか、苺佳」

「うん、9時過ぎには家を出るかな。
眞奈のお友達のお母さん、お仕事してる人だから日曜に変更してもらうのは
ちょっと難しいかな」



 ほんとは瑤ちゃん、どっちでもいいって言ってくれたんだけど。


瑤ちゃん優先でいくわー。


もう今までのように英介さんを一番に考えて優先したりしないよ。


私は『だから、日曜に行きましょうか?』とは提案しなかった。


「そっか、先約があるならしようがないな」


 そう言って英介さんも翌日に行くという話はしてこなかったので、
水族館行きの話はそこで立ち消えになった。



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