辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
 ひくりと喉を鳴らしたエリーズが顔を上げると、リティは持っていたハンカチで彼女の濡れた頬を優しく拭った。

「これで仲直りよ、エリーズ」

「……私を許してくださるの? ひどいことを考えたのに」

「じゃあ聞くけれど、今も私が怪我をしてしまえばいいと思っているの?」

 エリーズが勢いよく首を左右に振る。

「でしょう? ほんの一瞬、気の迷いが出ただけよ。私も父さんが鬱陶しくて、どこか遠くに行っちゃえばいいのにと思ったことがあるわ」

「……あなたは人がよすぎます。怒っていいのに」

 やっと涙が止まったらしく、エリーズは自分のハンカチを取り出して目尻を拭った。

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