冷徹御曹司の偽り妻のはずが、今日もひたすらに溺愛されています【憧れシンデレラシリーズ】
「俺も期待してる。いい商品だから長く売っていきたいし、そのためには実績が必要だからな。まあ、うちの宣伝部と営業部には優秀な人材が揃ってるから、あまり心配してないんだ」
「そっか。そうだね」
今回の商品にかなりの自信があるのか、響の目に力強い光が見える。
『健康寿命を長く』というコンセプトに基づいたシリーズに今回のゼリーが加わり、今後別の栄養素を強化したゼリーの発売も予定されている。
杏奈はまずは今日発表した商品がヒットし、響の尽力が報われるようにと願った。
同時に、こういうときにこそと思いながらも、気の利いた言葉ひとつ言えない自分にがっかりする。
学生の頃から響の役に立ちたいと思い続けているが、今もまだその願いは叶わないままだ。
それどころか年を重ねるにつれて響との距離がいっそう広がり、自分には響の役に立つ機会などないかもしれないとネガティブになることも多い。
今も労いの言葉を頭の中で探してみるものの、開発の苦労を知らない自分の言葉に説得力があるのかと躊躇し、結局なにも言えず口をつぐんでしまう。
こんなとき、恋人を全力でサポートしている真波との違いを嫌でも思い知らされる。
愛する人に愛されているだけでなく、傍らで支えている真波が羨ましくて仕方がない。
「で、今日はなにをもらおうか。移動中も打ち合わせがあったりで結局昼も食べてないんだ」
「え、そうだったの?」