【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
城に到着すると豪華な馬車から着飾った令嬢達が出てくる。
フランチェスカも父の手を繋ぎながら馬車を降りて、聳え立つ城を見上げながら深呼吸を繰り返していた。
長い階段を上がって会場に向かうのだが、その一歩がとても重く感じた。
それに今から以前と同じようにシュネーと再び契約できるのかはわからない。

(私はまたシュネーと契約できるのかしら。けれど……もう一度シュネーに会えるのなら、次こそは絶対絶対に幸せにしてみせるから!)

今は周りのことは一切、気にならなかった。
フランチェスカは体に染みついた所作を無意識に活かしながら足を進めていた。
それが周囲の注目を集めているとは知らずに……。
 
できるだけ目立たないようにと会場の端の方に移動したフランチェスカは会場をグルリと見渡していた。
あの時と何も変わらない景色の中、フランチェスカだけが以前の記憶を引き継いでここに立っている。

(あの時と何も変わらない……)

高位貴族達の名前が呼ばれていく最中、同じようなタイミングでグレイシャーがピクリと反応してこちらに視線を送っているような気がした。
フランチェスカは目が合わないようにしていたが明らかにグレイシャーはフランチェスカの方を見ている。
このままではまた皆の前でフランチェスカの前にグレイシャーとレオナルドと関わると。
そう思ったフランチェスカはこの場から逃げるために慌てて父の袖を引いた。
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