女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 定時になり、後片付けをしていたら、慶子さんがやってきた。
「お疲れ。これから帰るんでしょう? 今日お祭りだし、優里ちゃんこの浴衣着なさいよ。私のお下がりだけどあげる」
 彼女が持っていた紙袋を私に差し出すので、思わず聞き返した。
「え? いいんですか?」
「優里ちゃんに着てもらえると嬉しいわ。じゃあね」
 慶子さんはひらひらと手を振ってこの場を去る。
 ひょっとしたら彼女も仕事が終わったらお祭りに行くのかも。
「優里ちゃん、よかったわね。私も浴衣持ってきたの。一緒に着替えてお祭り行こう」
「はい」と返事をして紙袋の中を見ると、白地に赤い椿の絵が描かれた浴衣と、赤い帯、それに下駄が入っていた。
 大人っぽい感じで素敵。
 更衣室で真美さんと着替え、髪もアップにした。
「うわあ、優里ちゃん、アップにすると雰囲気変わるね。綺麗なお姉さんて感じで素敵」
 私の浴衣姿を褒めてくれる真美さんに、余計なお節介と思いつつも笠松先生のことに触れた。
「真美さんだって朝顔の浴衣でよく似合ってますよ。いいんですか? 本当に笠松先生誘わなくて」
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