女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
「いいの。行くわよ、優里ちゃん」
 顔を赤くした真美さんに手を掴まれて裏口まで行くと、玲人くんに猛アプローチしている形成外科医の坂井先生にバッタリ会った。
「あら、浴衣に着替えてお祭りなんて、事務員の子たちは浮かれているのね。お気楽でいいわあ」
 私と真美さんを見て、坂井先生はチクリと嫌味を言う。
 顔が可愛くて男性スタッフに彼女は受けがいいけれど、女性の事務員の間ではいつだって医者という立場をひけらかすので評判が悪い。
 それに、事あるごとに『玲人先生に馴れ馴れしくしすぎじゃない?』と、私に突っかかってくるのだ。
「ちゃんと仕事はしています」
 真美さんが怒りを抑えながらそういい返すと、坂井先生はフンと鼻で笑った。
「仕事をすればいいってもんじゃないのよ。もっと向上心はないのかしら。木村さん、あなた玲人先生のところに居候してるんですって? いつまで頼るつもり? 玲人先生、迷惑に思ってるわよ、きっと」
 意地悪く言われたけれど、自分でもその通りだと思ってなにも言い返せずギュッと唇を噛む。
 
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