女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 他の事務員もいなくなると、玲人くんに【よかった】と絵文字スタンプを送った。
「これが彼に送る最後のメッセージになるかも」
 スマホの画面をしばし見つめると、バッグにしまう。
「さあて、片付けなきゃ」
 ロッカーのネームプレートを取り、カーディガンや歯ブラシ、化粧ポーチなどの私物をいつも持ち歩いているエコバッグに入れていく。
 一カ月もいなかったのに、バッグはパンパンだった。
 真美さん、私が急にいなくなったら怒るだろうな。
 仕事も楽しくてとてもいい職場だったから、こんな形で去るのが辛い。
 でも、玲人くんが病院を継ぐためだ。
「慶子さんにもらった扇子もあるし、なんだか大荷物になっちゃった」
 苦笑いして更衣室を出て裏口に行こうとしたら、笠松先生に声をかけられた。
「やあ、優里ちゃん。やけに荷物多くない?」
 彼の声を聞いて身体がビクッとする。
 ここで声をかけられるなんてタイミングが悪い。
「慶子さ……先生にもらったものとかあって。真美さんならもう帰りましたよ。あの……急ぐのでお先に失礼します」
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