女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 猪瀬先生が褒めてくれて、少し恐縮しながら礼を言う。
「ありがとうございます。猪瀬先生、エスコートお願いしてしまってすみません」
 猪瀬先生には玲人くんがお願いしてくれて、快く引き受けてくれた。
「優里ちゃんのためなら一肌でも、ふた肌でも脱ぐよ。それに、もう義理の兄妹なんだから、お義兄さんって呼んでほしいな」
「はい、お義兄さん」
 私はひとりっ子だったけど、結婚してこんなに優しい義理の兄ができて嬉しい。
 礼拝堂から音楽が聞こえてきて、義兄と一緒に祭壇まで行くと、玲人くんがそんな私を愛おしげに見つめていた。
 祖母や、玲人くんの家族、真美さんに笠松先生、健くん……他にも病院関係者が来ている。
 健くんがいるのはとても驚いたけど、玲人くんとなにやらコソコソしていたから、きっと今日の式のことを話していたに違いない。
 こんなたくさんの人に祝福されて、なんて幸せなんだろう。
 涙が込み上げてきたけれど、時折上を向いて堪えた。
 私が祭壇の前まで行くと、玲人くんが極上の笑みを浮かべた。
 
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