偽装溺愛 ~社長秘書の誤算~
翌日、りとは夕方まで眠り続け、やっと目を覚ましたと同時に言った。
「愛が激しすぎる!」
今更だ。
「けど、気持ち良かったろ?」
「な――っ! 子供の前でなんてこと言うの!?」
「そんなに神経質にならなくても――」
「――ママ、きもちーかったん?」
「~~~っ!」
しまった。
最近の力登のお喋りスキルを侮っていた。
「理人。しばらく禁止です」
「えっ!? 何を――」
「――ナニを!」
「無理だろ」
りとも俺を求めてくれているとわかったのだ。
週末は遠慮なしに妻を愛でられると思っていた。
「私を愛してくれているなら、デキるはず」
「何を?」
「お預け、を」
お預けって――。
「お前っ――しっちょーじゃないんだから――」
「――しっちょー、おしゅわんっ!」
「はっ!?」
力登がぬいぐるみに向かって人差し指を向けている。
「まて!」
「ほら。しっちょーだって待てができるんだから――」
「――犬と一緒にするな。ってか、ぬいぐるみだろ!」
「しっちょー、どーんっ!」
横っ腹に、しっちょーに体当たりされる。
「力登、今、パパはママと大事な話を――」
「――パパ、やられた~ってして」
「しない!」
「し~て~っ」
「パパはやられない!」
「とにかく! しばらくは――」
「――無理」
「むり!」
「力登は真似しないの」
「む~り~」
「もうっ!」
「も~」
力登は真似っこが楽しいらしく、ケラケラ笑っている。
賑やかな休日の午後。
この上なく、幸せな時間。
俺は力登の頬にキスをした。
「りきも~」
力登から、頬にキスをもらう。
「こんなに可愛いんだ。好きなように愛でさせろよ」
「何事もやり過ぎは――」
妻の言葉を遮って、唇にキスをする。
「――愛しすぎ、なんてないだろ」
彼女の頭を抱えるようにして抱きしめ、額にもキスをする。
「りきもちゅ~」
「ほら、もう! りきが真似するじゃない。溺愛もほどほどにして」
「だから、無――」
今度は妻が俺の唇をキスで塞ぐ。
「――じゃあ、禁止」
「できない相談だな?」
できるはずがない。
今だって、十分控え目にしてる。
これ以上可愛がるなとか、やっぱ無理。
賢い女が嫌いだった。
曲者揃いの職場で毎日疲弊し、プライベートでまで頭を使いたくなかった。
だから、何も考えずに程よい快楽を与え、与えられ、程よい疲れに身体を休めていたかった。
そうさせてくれる女が、良かった。
まさか、寝不足になるほど溺れるとはな。
「パパ、どーんっ!」
力登に首根っこを掴まれたしっちょーが膝頭に頭突きする。
俺は膝を抱えて蹲り、倒れ込んだ。
「やられた~」
「しっちょーかったー!」
可愛い息子の為なら、やられた振りくらいいくらでもするさ。
愛する妻と息子の笑顔を守る為なら、いくらだって――。
----- END -----
「愛が激しすぎる!」
今更だ。
「けど、気持ち良かったろ?」
「な――っ! 子供の前でなんてこと言うの!?」
「そんなに神経質にならなくても――」
「――ママ、きもちーかったん?」
「~~~っ!」
しまった。
最近の力登のお喋りスキルを侮っていた。
「理人。しばらく禁止です」
「えっ!? 何を――」
「――ナニを!」
「無理だろ」
りとも俺を求めてくれているとわかったのだ。
週末は遠慮なしに妻を愛でられると思っていた。
「私を愛してくれているなら、デキるはず」
「何を?」
「お預け、を」
お預けって――。
「お前っ――しっちょーじゃないんだから――」
「――しっちょー、おしゅわんっ!」
「はっ!?」
力登がぬいぐるみに向かって人差し指を向けている。
「まて!」
「ほら。しっちょーだって待てができるんだから――」
「――犬と一緒にするな。ってか、ぬいぐるみだろ!」
「しっちょー、どーんっ!」
横っ腹に、しっちょーに体当たりされる。
「力登、今、パパはママと大事な話を――」
「――パパ、やられた~ってして」
「しない!」
「し~て~っ」
「パパはやられない!」
「とにかく! しばらくは――」
「――無理」
「むり!」
「力登は真似しないの」
「む~り~」
「もうっ!」
「も~」
力登は真似っこが楽しいらしく、ケラケラ笑っている。
賑やかな休日の午後。
この上なく、幸せな時間。
俺は力登の頬にキスをした。
「りきも~」
力登から、頬にキスをもらう。
「こんなに可愛いんだ。好きなように愛でさせろよ」
「何事もやり過ぎは――」
妻の言葉を遮って、唇にキスをする。
「――愛しすぎ、なんてないだろ」
彼女の頭を抱えるようにして抱きしめ、額にもキスをする。
「りきもちゅ~」
「ほら、もう! りきが真似するじゃない。溺愛もほどほどにして」
「だから、無――」
今度は妻が俺の唇をキスで塞ぐ。
「――じゃあ、禁止」
「できない相談だな?」
できるはずがない。
今だって、十分控え目にしてる。
これ以上可愛がるなとか、やっぱ無理。
賢い女が嫌いだった。
曲者揃いの職場で毎日疲弊し、プライベートでまで頭を使いたくなかった。
だから、何も考えずに程よい快楽を与え、与えられ、程よい疲れに身体を休めていたかった。
そうさせてくれる女が、良かった。
まさか、寝不足になるほど溺れるとはな。
「パパ、どーんっ!」
力登に首根っこを掴まれたしっちょーが膝頭に頭突きする。
俺は膝を抱えて蹲り、倒れ込んだ。
「やられた~」
「しっちょーかったー!」
可愛い息子の為なら、やられた振りくらいいくらでもするさ。
愛する妻と息子の笑顔を守る為なら、いくらだって――。
----- END -----

