誰にも言えない秘密の恋をしました       (君にこの唄を捧ぐ)
「蓮さん、食べれない物とか食べたい物ありませんか?」
心菜が近づいて来てこそっと耳打ちしてくる。

なぜそんなにこそっとしてるのか分からないが、顔が近くてそれだけで嬉しいと思ってしまう。

「食べれない物は無い。でも、なめこは苦手だ。心菜が作った物なら何でも食べたい。」
そう伝える。

「了解です。」
軽く敬礼してまた買い物に戻って行く。
その姿を可愛いなと目で追い、はぐれないようにそっと着いて行く。

スーパーでの買い物がこんなに楽しいとは思わなかった。

心菜は試食品の販売員に何度も捕まり、その都度俺にも持って来てくれる。
美味いな。と言う事にカゴに入れて行くから、販売員の思う壺だなと笑ってしまった。

思いのほか楽しい買い物をして帰路に着く。
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