仮面夫婦を望んだ冷徹な若社長は妻にだけ惚けるような愛を注ぐ。【逃亡不可避な溺愛シリーズ1】
「ほんと、芽惟はイケメンとかに疎いねぇ」

 そう言って、麗美が笑う。

 だけど、芽惟だって疎くなりたくて疎くなったわけじゃない。

(単に、仕事が忙しすぎてそういうことにまで手が回らなくなったというか……)

 簡単に言えば、仕事の邪魔になると思ってしまい、興味が薄くなっていっただけなのだ。

「まぁ、芽惟のそういうところ、私は好きだよ」

 なんてことない風に、麗美がそう言う。その言葉に、救われたような気がした。

「ところで、どうしてその話を私にしたの?」

 不意に気になったので、芽惟はそう問いかけてみる。そうすれば、彼女は「うぅん?」と怪訝そうな表情を浮かべた。

「特に意味なんてないよ。単に、芽惟にも苦労を共有したかっただけ」

 なんだ、それだけか。

 心の中でそう思い、芽惟はホッと胸をなでおろす。

「一応インタビューとかは、私と先輩がすることになってるんだけれど……」
「だけど?」
「なんていうか、敦也社長って、前評判が……ねぇ」

 麗美はそこまで言って肩をすくめる。……前評判。

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