仮面夫婦を望んだ冷徹な若社長は妻にだけ惚けるような愛を注ぐ。【逃亡不可避な溺愛シリーズ1】
(だけど、ここ数年市原ホールディングスの業績は伸びているはずなんだけれど……)
芽惟はおぼろげな記憶を引っ張り出して、そう思う。業績が伸びているのならば、割と問題はないのではないだろうか?
はたまた、女癖が悪いとか。仕事関係とは違う問題なのだろうか?
「……なにか、悪い噂でも?」
ついつい口を挟んでしまった。
けれど、麗美は特に気を悪くした風もない。ただ「ははっ」と声を上げて笑うだけだ。
「悪い噂っていうほどじゃないのよ。……ただ、なんていうか、とっつきにくい、とか?」
「……うん?」
「冷徹とか、仕事一筋とか。そういうことを言われているからさぁ、どういう風に話を聞きだそうかって、悩んじゃって」
苦笑を浮かべながら、麗美がそんなことを教えてくれた。
冷徹。仕事一筋。
「もうちょっと、こう、プライベートなこととか聞きだしたいんだけれど……。だけど、出来そうになくてさ」
麗美が完全に肩を落としてしまう。……プライベートなことを聞き出すなんて、下世話もいいところだと思ってしまうのは、芽惟だけなのだろうか?
(でもまぁ、雑誌の購買意欲を高めるためには、必要なのかも)
麗美にとっても、これは仕事なのだ。だから、仕方がない……と、割り切るほかない。
「……だったらさ、これもビジネスのお話だって割り切ればいいんじゃない?」
ふと思ったので、芽惟はそう言ってみる。麗美はぽかんとしていた。
芽惟はおぼろげな記憶を引っ張り出して、そう思う。業績が伸びているのならば、割と問題はないのではないだろうか?
はたまた、女癖が悪いとか。仕事関係とは違う問題なのだろうか?
「……なにか、悪い噂でも?」
ついつい口を挟んでしまった。
けれど、麗美は特に気を悪くした風もない。ただ「ははっ」と声を上げて笑うだけだ。
「悪い噂っていうほどじゃないのよ。……ただ、なんていうか、とっつきにくい、とか?」
「……うん?」
「冷徹とか、仕事一筋とか。そういうことを言われているからさぁ、どういう風に話を聞きだそうかって、悩んじゃって」
苦笑を浮かべながら、麗美がそんなことを教えてくれた。
冷徹。仕事一筋。
「もうちょっと、こう、プライベートなこととか聞きだしたいんだけれど……。だけど、出来そうになくてさ」
麗美が完全に肩を落としてしまう。……プライベートなことを聞き出すなんて、下世話もいいところだと思ってしまうのは、芽惟だけなのだろうか?
(でもまぁ、雑誌の購買意欲を高めるためには、必要なのかも)
麗美にとっても、これは仕事なのだ。だから、仕方がない……と、割り切るほかない。
「……だったらさ、これもビジネスのお話だって割り切ればいいんじゃない?」
ふと思ったので、芽惟はそう言ってみる。麗美はぽかんとしていた。