アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
 意外な返答に、僕は目を瞬かせた。
 
「もしかして、僕もミノの主人になるのか?」
「はい。メインマスターは結衣子さんですが」
「それなら……。僕が先輩を好きでも、ミノは応援してくれるか?」
「それはかまいません」

 ミノが朗らかに言ったので、ホッとしたのも束の間。
 急に真剣な表情になった。

「ですが。俺の存在意義は、結衣子さんを癒すことです。それだけは、絶対に航さんにも譲れません」
「癒すって……」
「結衣子さんに触れます。抱きしめます。許可が出ればそれ以上のことも」

 冗談だと思いたかったが、おそらくミノは嘘をつくようなタイプではない。
 宣戦布告をされたようで、嫌な汗が流れた。
 先ほどから降っていた雨は、強くなる一方だった。

 やはり、ミノは危険な存在だ。
 このまま家に持って帰ってしばらく僕が預かろうと、車のキーを回した。
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