18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 まさか、という思いで不安が広がった。

 これはキスより先に進もうとしているのではないか。


「遥さ……待っ」

「いろは」

 低くて艶のある声にどくんと胸が高鳴った。

 彼は目を細めてじっと私を見下ろしている。


「あ、あの……何、を……?」

「何って、君の望むとおりのことをしているんだよ」

「え? そんな……」

 私はもっとキスがしたいという意味で言ったのに、間違って捉えられてしまったということだ。


「遥さん、待って……私まだ、心の」

 準備が、と言おうとする間もなく彼は私の唇を塞いだ。


 キスはとても心地よくて、すぐに私の体は力を失っていく。

 確かに私はこんなふうに気持ちいいキスを望んでいた。だけど……。


 パジャマワンピースの中に彼の手が侵入してきて、脚に触れた感覚にびくっと体が震えて思わず「あっ」と声をもらした。


「かわいい声」

 と彼は言って今度は私の頬にキスをした。


 ど、どうしようどうしよう。

 これって、そういうことだよね?


「遥さん……そういう、ことは……卒業まで、しないって……」


 ドキドキしながらようやく言葉を吐き出した。けれど、彼は真顔で淡々と答えた。


「子作りはしないと言ったけど、夫婦生活をしないとは言ってないよね?」



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