18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 遥さんは私の腕をつかんで、上から覆いかぶさり、顔を近づけてきた。

 そこに笑顔はなく、鋭い眼差しをまっすぐに向けられるだけだ。

 出かける前に見た彼の獲物を捕らえるような目つき。

 いや、もう捕らえたあとなのだ。


 どくんどくんどくん、と頭に響くほど鼓動が鳴り、胸の奥にぎゅっと心地よい痛みを感じた。


「結構、積極的だね」

 と遥さんが真顔で言った。


 ううう、恥ずかしい。猛烈に恥ずかしい!


「だらしない女だと思いました?」

 おずおずと訊ねると彼は笑みを浮かべながら、私の耳もとでささやいた。


「いや、最高の女だよ」

「わっ……ち、かい」


 近すぎる。

 遥さんの声が脳髄まで響きわたる。

 体がぞくぞくする。


 遥さんの前髪が頬に当たってくすぐったいと思っていたら、突然首筋にキスをされてびくっと体が震えた。


「ふえっ!?」

「暴れちゃ駄目だよ」

 遥さんに腕をぎゅっとつかまれてさらに動けなくなった。


「えっ……えっ!?」

 頭が混乱してきて、急に不安になってきた。


 遥さん、何をしてるの?

 キスをするだけだよね?



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