18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
保健室に行くとベッドに寝かせてもらった。
「秋月いろはさんだね」
名前を訊かれて「はい」と答えた。
「となりで寝てる人もいるから静かにね」
「はい」
「じゃあ、ゆっくり休んで」
「ありがとうございます」
先生はカーテンを閉めると、また保健室を出ていった。
「はあ……」とため息がこぼれる。
次は由希ちゃんの授業だけど、さっき大丈夫なんて言ったのに結局ここに来てしまった。
「昨日寝てないしなあ……」
ぼそりと口に出して言ってしまった。
そう、昨日はあれから気分が高揚して眠れなかったのだ。
となりのカーテンがさらっと開いた。
もしかして、声を出したせいで起こしてしまったのかもしれない。
ドキドキしながらとなりの人が立ち去っていくのを見守っていると、突然こちら側のカーテンが少し開いた。
「秋月?」
「えっ……伊吹くん」
は、恥ずかしい。伊吹くんに寝ているところを見られてしまった。
「具合、悪いのか?」
「う、ん……ちょっと、お腹が痛くて」
「そっか。大変だな」
「伊吹くんは?」
「さぼり」
「えっ!?」
驚いてつい声を上げてしまった。
すると、伊吹くんは私をじろりと睨むように見た。
やっぱり、怖い人だ。
ドキドキしながら黙っていると、彼は意外なことを口にした。
「体調悪いんだろ。俺、行くから。ゆっくり休めよ」
「えっ……うん。ありがとう」
伊吹くんが優しい言葉をかけてくれた。
今までずっと私のことを無視していたのになんで!?