18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 それから30分後。

「やった。ひとりで解けたよ!」

 どうしても理解できなかった問題がようやく解けて頭がすっきりした気分になった。


「ふうん、よかったね」

 と遥さんは真顔で、やけに冷めた口調で言った。


「え……できたのに、どうしてそんなに不機嫌なの?」

「つまらないな。せっかく楽しみにしてたのに」

「何を!?」


 私にペナルティを与えることを?

 そんなに私を痛い目に遭わせたかったの?


「まあ、いいや。機会はいくらでもあるから。次の問題、やってみて」

「え? まだやるの?」

「11時まで頑張ろうね」

 遥さんは時計を見て笑顔でそう言った。


 彼が見ている限り、私はやらなければならない。

 そう、ひとりなら今日はここまでにして寝る前に漫画を読んでしまうだろう。

 それを、彼は決して許してはくれない。


 それから15分後。


「わっ、これも自分で解けたよ。見て、遥さん」

 途中で立ち上がって部屋の中をうろうろしていた彼に向けて私は言った。

 だけど、彼は特に反応もなく、1冊のノートをじっと見つめている。


「遥さん、何見て……」

 そのノートには見覚えがあった。

 そう、私が勉強の合間に休憩がてら落書きをしていたノートだった。


「やっ、やめて遥さん!」

 慌てて駆け寄り、彼が手にしているノートを奪おうとしたが、サッとかわされた。


「君は授業中にこんなことをしているのか。なるほど、どうりで授業内容が頭に入らないわけだな」

「違うよ。それは、ちょっと、休憩で……」

「長い休憩だな」

 彼はわざわざノートをパラパラとめくりながら私に見せつけた。


 そう、ショーマとリューセイのいちゃいちゃシーン♡満載のイラストを!


「きゃああぁっ!!!」


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