18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 ベッドに横たわる私の上から遥さんが覆いかぶさるようにして見下ろしている。

「いろは」

 彼は私の腕をつかんでぎゅっとベッドに押しつけた。


「ちょっ、と……あの、まさか……だって、準備が……」

 心の準備ができていない!

 いろいろな情報が頭の中に浮かんできて、それらを処理できない私は大混乱に陥った。


「遥さんは、病み上がりだから、安静にしないと……」

「関係ないよ。ただのお仕置きだから」

「えっ!?」

 何を言ってるの?

 よくわかんない。


「いろは、俺は君がバカでも構わないと思ってるよ。それも君の魅力のひとつだし」

「それ、嫌味でしかないよ!」

「どんなに努力をしても結果が伴わないことは、人生にはよくあることだ」

「え、待って。わたし、できたよね? 3回目はできたよ!」

「俺がいなければ、君は諦めている。数学から逃げて今頃は漫画を読んで落書きをしていることだろう」

「うわあ、バレてるう!」

 遥さんは笑みを浮かべたまま、私に顔を近づけてきた。

 だけどその笑顔の裏には恐ろしい顔が見え隠れしているのがわかる。


「真面目な子だと思っていたのに授業中に落書きをしてさぼっているとはね」

「だから、それはごめんなさいって!」

「いいよ。許してあげる」

「えっ?」

 遥さんは一度私から顔を離して、真顔で見下ろした。

 その目つきや表情は冷ややかで、恐ろしいと思った。

 だけど、怖くはなくて、妙な感覚で、体がぞくりとした。


「……遥さん?」

「でも、少し痛いコトは、感じてもらわないとね」

「ひっ……!」


 ぜんぜん許してくれてない!!


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