18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
なにを、はなしているんだろう?
母親はヒステリックに叫び、しばらく父親はなだめるように話していたが、だんだん言い争いはエスカレートして、ついに父親が怒鳴りつけた。
「お前には人としての情がないのか!?」
普段あまり会うことはないが、父は比較的穏やかな性格だと思っていた。
だから、こんなふうに怒鳴るのは初めてで、遥は動揺して震えた。
「人としての情ですって? 家族のことは放っておいてよその女のところへ行く人に情がないなんて言われたくないわ!」
母の声は父をさらに上まわるほどの叫び声だった。
「君の思い込みにはうんざりだ。私がいつ家族を放っておいたというんだ?」
「いつも遥が寝るまで帰ってこないくせに偉そうに言わないでよ!」
「仕事だから仕方がないだろう。君もよく理解しているはずだ」
「本当に仕事なら私も理解したわ。だけど、あなたはあの女のところに行ってるでしょ。隠しても無駄よ。全部知ってるんだから!」
よそのおんな……あのおんな……。
おかあさんは、なにをいっているんだろう?
知らない情報が次々と飛び込んできて遥は混乱した。