18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 遥さんがたまに見せる鋭い目つきは、本当に翔真にそっくり。

 だけど、画面の向こうの人とは違ってあまりにもリアルで。

 私は彼の瞳に縛りつけられているみたいになる。


 次に何があるんだろうって、ドキドキして。

 知らない世界の扉の前で、向こうへ入ってはいけないような気がする。

 なのに、入りたくてたまらなくなる。


「遅刻するね」

 と遥さんが冷静に言った。

「わっ、大変」


 私は急いでバッグを取りに寝室へ行き、それから身支度をして戻った。

 遥さんは可愛いピンクの巾着袋を手に持って、にっこりと笑って言った。


「お弁当。いるよね?」

「えっ、まさか……」


 手作り!?

 驚いて見上げると、遥さんはただ微笑んでいた。


「えっと、遥さんの分は?」

「俺はだいたい外食なんだ。取引先の人と食事をすることが多いから、社内ではあまり食べないんだよ」

「そうですか。私だけのために、ありがとうございます」

「いいんだよ。俺がそうしたいんだから」


 遥さんは私の髪に触れて、穏やかに微笑んで言った。


「あの、今夜は私が夕食を作りますね」


 そう言うと、彼は嬉しそうに「それは楽しみ」と言ってくれた。

 朝は私が先に家を出ることになり、遥さんは見送ってくれる。


 こうして、私たちの新婚生活がはじまったのだ。


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