18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
お昼休み、今日は小春が打ち合わせをしたいからと部室でお弁当を食べることになった。
うちの学校は大きな食堂もあるんだけど、お昼休みはすごく混雑するのでだいたいお弁当か、購買で売っている菓子パンや総菜で済ます人が多い。
「あれ? お弁当の袋変えた?」
小春がさっそく変化に気づいて言った。
「うん、可愛いでしょ?」
そう言って、控えめな花柄模様の描かれたピンクの巾着袋を見せた。
自分で選んだわけじゃないけど、遥さんは私の好みをよく知っていると思う。
「へえ。彼氏ができておしゃれに目覚めたのかなあ?」
「えっ……」
一瞬どきりとした。けれど、笑ってうなずいた。
そういえばお弁当の中身を見ていない。
どんなふうになっているのか、ドキドキしながらそっと開けてみた。
半分くらいご飯があって、その上にはひき肉、卵、桜でんぶ、という三色のそぼろだった。
もう半分はおかずで、タコさんウインナーとポテトサラダ、ブロッコリーとミニトマトという彩り豊かな仕上がりになっている。
ポテトサラダの上には星形のにんじんが乗ってる!
「凝ってるう! いろは、ついに料理修行をはじめたのね」
小春がにやにやしながら言った。
私は「うん」とうなずくしかなかった。
まさか、一緒に暮らしてて作ってもらったなんて、言えない。