18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
こんなに丁寧に作ってもらって、なんだか申しわけない気がした。
それに、私がこのレベルになるまで一体どれくらいの時間がかかるだろう。
相当練習しないと駄目だなあと思った。
今までなんでも母にしてもらっていたから女子力が足りない。反省。
「ねえ、いろは」
「うん、何?」
複雑な気持ちでそぼろご飯をスプーンですくっていると、小春が菓子パンをかじりながら顔を近づけてきた。
「彼氏とはどこまでしたの?」
急にそんなことを訊かれて食べる手を止めた。
「どこまで、って……?」
「決まってるじゃない。ちゅー以上のことをしたのかってこと!」
うっかりスプーンを落としそうになり、それは防いだけど、代わりにご飯を落としてしまった。
慌ててティッシュを取り出して、さっと拭きながら否定する。
「し、してないよ!」
「あら、そうなの。社会人なのにねえ」
「それ関係ある?」
「オトナだもの。うふふ」
顔が猛烈に熱くなってきた。
私はキスを思い出して恥ずかしくなり、これ以上突っ込まれないように小春に毅然と返した。
「そういうの、なくても仲良くしていけるよ!」
「え? そう? 付き合ってるなら自然なことじゃない?」
「彼は私のことを大切にしてくれてるの。卒業まではしないって」
「へえ、びっくり」
小春は目を丸くして驚いた。
だけど、遥さんは確かに私が卒業するまでそういうことはしないって約束してくれたもんね。