【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい


***


 昴とは大学四年生のときに付き合っていた。彼は二年の時に一年間の海外留学に行っているから年齢は一歳年上だ。講義で顔を合わせるうちに仲良くなって自然と付き合いが始まった。

 つらい就職活動を励まし合いながら乗り切ったものの、卒業後はお互いに忙しくて連絡頻度が減った。私は私で新しい仕事や環境に馴染むので精いっぱいだったし、昴は入社半年でアメリカに赴任することも決まって多忙を極めていた。

 そして始まりと同じように、私たちの関係は自然と消滅した。口約束はしていないから本当に付き合ってたのかと聞かれると自信がもてないけれど、私の家に昴が泊まりにきたり、彼の友人に『彼女』として紹介されたりしていたから、恋人関係ではあったと思っている。

『昴くんモテるから会社で言い寄られてるんじゃない?』

『もう、和花がぼんやりしてるから!』

 大学時代の友人にしょっちゅう言われていた言葉を今さらながら思い出す。

 たしかに、私が頻繁に連絡をして彼の動向に目を光らせていたら、昴は離れていかなかったのかもしれない。そうは思っても、私もあの頃は余裕がなかったのだ。

 つまり、私たちの関係はその程度だった。
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