【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
一週間前、昴が現れたあの夜。うちに寄っていった賢人さんにもそう説明したのだけれど、納得してくれただろうか。
リフレッシュスペースの四人掛けで広げていたお弁当箱に蓋をすると、正面の真凛がコーヒーカップに口をつけながらつぶやいた。
「へえ、元カレ。なるほど、だからここのところ冴島部長が荒れてるんだ」
「え!?」
真凛を凝視してしまった。数少ない女性社員でかつ同期の彼女は私と賢人さんの関係を知っている唯一の同僚だ。
「いつもの鬼っぷりと変わらない気がするけど……」
声を潜めてフロアの方を見やる。ここから賢人さんの姿は見えないけれど、午前の仕事から解き放たれた営業部の面々が目に入る。リフレッシュスペースのダーツやビリヤード台で遊んでいる彼らは残り少ない休憩時間を謳歌すべく盛り上がっていた。
「全然違うから。いつもより理詰めがえぐい」
営業部のメンツを気の毒そうに見やってから、真凛はローズレッドの美しい唇を持ち上げて楽しげに微笑む。
「冴島部長も人並みに嫉妬するのね」
「そうなの、かな」
会社では一切笑顔を見せず冷酷な鬼部長として振舞い、反動のようにプライベートではとろけそうな微笑で私を甘やかす。