無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
(そうだわ。ここから放り出されることになったら、料理やスイーツを作って生計を立てられないかしら?
どこかの町や村の食堂やカフェで働けたら最高よね)

 そう簡単にはいかないことはわかっている。しかし、そのときの為にいまからしっかり勉強と経験を積んでおくのはマイナスにはならない。願いがかなうかどうかは別にしても、備えはちゃんとしておくべきだ。

(もっとがんばろう。シドニーには迷惑をかけてしまうけれど、彼は教えるのがうまいし、機嫌よく教えてくれる。軍の料理人たちと一緒に学ばせてもらおう)

 あらためて決意する。

 国王に数個とカモミールティーを持って行くことにした。残りは、シドニーや親衛隊の隊員たち、自分用にとっておく。

 そして、パーシーとチャーリーといっしょに国王の待つ執務室へ向かった。
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