無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「陛下っ!」
「陛下っ!」

 パーシーとチャーリーが同時に叫んだ。

「いい加減にして下さい。そもそも、陛下が非情なことを言うからです。あなたが一言、『むさ苦しいところだがのんびりすごすといい』と言えばいいだけのことでしょう?」
「チャーリーの言う通りです。あるいは、『ここにいれば安心だ。いままでのことは忘れ、おれの側で暮らすといい』。そんな感じでもいいのです』」
「バ、バカな。そのような虫唾が走るような台詞、言えるわけがないだろう? おれは、オーディントン国の国王であり大陸最強といわれるオーディントン国軍の将軍でもあるんだぞ」

 ルビー色の瞳がこちらに戻ってきた。
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